アメリカの詩人、カール・サンドバーグの詩集。1916年刊。従来の東部中心の文化に反抗して、中西部のたくましく健康なアメリカの都会や自然を歌い上げた。1914年に表題の詩「シカゴ」がシカゴの文芸誌『ポエトリ』に発表されて、詩壇の注目を集めた。詩集は「シカゴ詩編」「少しばかり」「戦争詩編」「道とその終り」「霧と炎」「影」「かつての日々」の7部よりなる。W・ホイットマンを思わせる自由律と新しいイマジズムのスタイルがみられ、1920年代から1930年代にかけて一世を風靡(ふうび)した。日本でも草野心平、小野十三郎、岡本潤、萩原恭次郎(はぎわらきょうじろう)らに少なからぬ影響を与えた。
[新倉俊一]
『安藤一郎訳『シカゴ詩集』(岩波文庫)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…のちシカゴに移住,《ポエトリー》誌に認められて,E.L.マスターズ,N.V.リンゼーと並んで〈シカゴ・グループ〉の一翼を担う詩人として広い人気と名声を得た。《シカゴ詩集》(1916),《然り,民衆》(1936)などに収められた詩は,アメリカ民衆のもつ粗野な活力と純朴な優しさへの信頼を,ホイットマンの流れを汲む自由な詩形とはつらつとしたアメリカ口語でうたう。アメリカ精神をうたい上げる野心的な《リンカン伝》6巻(1926‐39),アメリカ民謡の収集において先駆的な役割を果たした《アメリカ唱歌集》(1927)のほかに自伝,童話などが知られている。…
…構造と外観の一体表現,上下連続させた細身の柱と幅広い窓による重量感の軽減そして垂直上昇感の強調,伝統様式を離れた自由なデザインなど,合理的な解決を示す例に,タコマ・ビル(1889,ホラバード,ローシェ),ライター・ビル(1890,W.ジェニー),リライアンス・ビル(1894,バーナム,ルート)がある。なお,詩人サンドバーグは《シカゴ詩集》の中の一編〈スカイスクレーパー〉で,高層ビルの一日を描いている。一方,20世紀初頭のニューヨークでは,頂上に尖塔をのせ,随所に装飾を施した折衷様式の高層建築が流行し,シカゴの箱型建築と対比をなした。…
※「シカゴ詩集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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