日本大百科全書(ニッポニカ) 「シカゴ詩集」の意味・わかりやすい解説
シカゴ詩集
しかごししゅう
Chicago Poems
アメリカの詩人、カール・サンドバーグの詩集。1916年刊。従来の東部中心の文化に反抗して、中西部のたくましく健康なアメリカの都会や自然を歌い上げた。1914年に表題の詩「シカゴ」がシカゴの文芸誌『ポエトリ』に発表されて、詩壇の注目を集めた。詩集は「シカゴ詩編」「少しばかり」「戦争詩編」「道とその終り」「霧と炎」「影」「かつての日々」の7部よりなる。W・ホイットマンを思わせる自由律と新しいイマジズムのスタイルがみられ、1920年代から1930年代にかけて一世を風靡(ふうび)した。日本でも草野心平、小野十三郎、岡本潤、萩原恭次郎(はぎわらきょうじろう)らに少なからぬ影響を与えた。
[新倉俊一]
『安藤一郎訳『シカゴ詩集』(岩波文庫)』