日本大百科全書(ニッポニカ) 「シゲーレ」の意味・わかりやすい解説
シゲーレ
しげーれ
Scipio Sighele
(1868―1913)
イタリアの社会学者。ローマ大学で法学を学ぶ。しばらく犯罪人類学の創始者ロンブローゾに師事したことで、彼の運動の支持者であった。群集および犯罪心理学について多くの著書がある。犯罪社会学の開拓者の一人でもあり、発展に寄与したが、社会ダーウィン主義の影響を受け、暴力的、激情的、非合理的また被暗示的などの性格をもつ群集を正面から取り扱った。フランスの社会心理学者ル・ボンが『群集心理』(1895)を著し、自説の盗用と非難を加えたこともあるが、シゲーレの『犯罪的群集』は1891年に発刊されているので、この非難はあたらない。
[鈴木幸寿]