改訂新版 世界大百科事典 「シャコバサボテン」の意味・わかりやすい解説
シャコバサボテン
crab cactus
Zygocactus truncatus (Haw.) K.Schum.
ブラジル原産の着生サボテン。シャコサボテンともいう。普通,二叉(にさ)分枝を繰り返してしだれ,長さ30cmになる。葉はなく,茎は節をなし,扁平で数個の鋭い鋸歯がある。12月ごろに咲くので,英米ではクリスマス・カクタスChristmas cactusとも呼ばれるが,日本では短日処理され,秋から花屋の店頭に並ぶ。花は茎節の末端につき,やや左右相称で長さ約7cm,通常は赤桃色だが,ピンクや白色,ピンクで縁どられた白花などもある。果実はできにくいが,交配するとやや球型で径8mmの赤い漿果(しようか)がなる。近縁のカニバサボテンSchlumbergera bridgesii(Lem.)Löfgr.はカニサボテンともいい,花が放射状相称で,茎の鋸歯が鈍く,花が春に咲く点で区別されるが,中間的な雑種もある。
半日陰でも育つが,花つきをよくするには陽光に十分あて,8月は断水し,9月から普通に灌水する。水はけのよい用土を使い,腐植土を3割混ぜ,毎春,植えかえる。繁殖は挿木が容易。
執筆者:湯浅 浩史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報