改訂新版 世界大百科事典 「シャックルトン」の意味・わかりやすい解説
シャックルトン
Ernest Henry Shackleton
生没年:1874-1922
イギリスの南極探検家。アイルランドのキルキーに医師の子として生まれる。北極探検家C.ホールの探検記に感動し,極地探検に情熱を燃やす。大学中退で船員となり,海軍予備少尉に任官,1901-04年スコット指揮下の南極探検隊に参加,ロス海を横断,マクマード湾で気球から空中写真を撮る。07-09年ニムロード号を指揮してビクトリアランドに接岸,09年1月9日南緯88°23′,東経162°に到達,周辺をキング・エドワード7世高原と命名した。同年1月16日部下のT.W.E.デービッドは南緯72°25′,東経155°16′の南磁極に立った。帰国してサーの称号を受けた。主著《南極の心臓》(1909)はこの探検の記録である。14-16年南極横断を試みたが,乗船エンデュアランス号がウェッデル海で難船,超人的努力でサウス・ジョージア島へ脱出,機帆船を得て全隊員を救出した。それは著書《南》(1919)に詳述されている。21年4たび南極に向かい,翌年1月サウス・ジョージア島沖の船中で心臓病により死去した。
執筆者:石山 洋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報