シャン州(読み)シャン(その他表記)Shan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャン州」の意味・わかりやすい解説

シャン〔州〕
シャン
Shan

ミャンマー中部の州。州都タウンジー。シャン高原を占め,北東部は中国のユンナン(雲南)省,東部はラオス,南東部はタイに接する。ほぼ全地域が標高 1000~1500mの高原で,2000mをこす山脈が走る。タンルウィン川が深い峡谷を刻んで南北に貫流する。北部は温帯湿潤気候,南部は亜熱帯多雨気候(→亜熱帯気候)。人口の約 70%はシャン族と総称される山岳民族。盆地などでイネトウモロコシが栽培され,高地では焼畑農耕狩猟などが行なわれている。ミャンマー産業開発の重要地域に指定され,大理石鉱山やタンルウィン川の水資源が開発されており,農林業が振興されている。州内にはタウンジー,カロー,チャイントゥン,クッカイなど 52郡が置かれている。州北東部のタイ,ラオス,中国との国境に囲まれた地域は「黄金の三角地帯」と呼ばれ,伝統的にケシを栽培し,かつては全世界のヘロインの約 70%を生産していた。面積 15万5801km2。人口 506万1000(2002推計)。

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