日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュレジンジャー」の意味・わかりやすい解説
シュレジンジャー(John Schlesinger)
しゅれじんじゃー
John Schlesinger
(1926―2003)
イギリスの映画監督。ロンドン生まれ。学生時代から俳優として舞台や映画に出演、1957年以降はBBCを中心にドキュメンタリー監督として活動、『ターミナル駅』(1961)の成功を契機に劇映画に進む。姑(しゅうとめ)との同居生活に悩む若い男を描いた『或(あ)る種の愛情』(1962。ベルリン国際映画祭金熊賞)でデビュー。克明な環境描写と演技演出に優れ、ニューヨークで撮ったアメリカ映画『真夜中のカーボーイ』(1969)でアカデミー作品賞・監督賞を受けた。ほかに『ダーリング』(1965)、『遥(はる)か群集を離れて』(1967)、『日曜日は別れの時』(1971)、『イナゴの日』(1975)など。
[宮本高晴]
資料 監督作品一覧
ターミナル駅 Terminus(1961)
或る種の愛情 A Kind of Loving(1962)
ダーリング Darling(1965)
遙か群衆を離れて Far from the Madding Crowd(1967)
真夜中のカーボーイ Midnight Cowboy(1969)
日曜日は別れの時 Sunday Bloody Sunday(1971)
時よとまれ 君は美しい ミュンヘンの17日「最も長い闘い」 Visions of Eight - The Longest(1973)
イナゴの日 The Day of the Locust(1975)
マラソン マン Marathon Man(1976)
ヤンクス Yanks(1979)
フロリダ・ハチャメチャ・ハイウェイ Honky Tonk Freeway(1981)
コードネームはファルコン The Falcon and the Snowman(1985)
サンタリア 魔界怨霊(おんりょう) The Believers(1987)
マダム・スザーツカ Madame Sousatzka(1988)
パシフィック・ハイツ Pacific Heights(1990)
愛の果てに The Innocent(1993)
レイジング・ブレット 復讐(ふくしゅう)の銃弾 Eye for an Eye(1996)
スウィーニー・トッド The Tale of Sweeney Todd(1997)
2番目に幸せなこと The Next Best Thing(2000)
シュレジンジャー(Arthur Meier Schlesinger)
しゅれじんじゃー
Arthur Meier Schlesinger
(1888―1965)
アメリカの歴史学者。オハイオ州立大学、コロンビア大学大学院に学び、1924年から54年までハーバード大学でアメリカ史を講じた。20世紀初頭の「新しい歴史学」の潮流を受け継ぎ、歴史叙述にあたっての彼の立場は、経済的要因を重視し、また文化的、社会的要因にも配慮を払う広い社会史的視点であった。『植民地商人とアメリカ革命 1763~1776』The Colonial Merchants and the American Revolution, 1763‐1776(1918刊)、『都市の興起 1878~1898』The Rise of the City, 1878‐1898(1933刊)などの著作がある。
[紀平英作]