シルト岩(読み)しるとがん(英語表記)siltstone

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シルト岩」の意味・わかりやすい解説

シルト岩
しるとがん
siltstone

砕屑(さいせつ)性堆積岩(たいせきがん)の一種で、シルト(粒径0.004~0.06ミリメートル)の砕屑粒子を主成分とする岩石。普通、泥岩あるいは頁岩(けつがん)とよばれているものにはシルト岩が多く、シルトに加えてより細かな粘土鉱物が混合して岩石をつくっている。シルトは淤泥(おでい)あるいは微砂(びさ)ともよばれ、おもに石英長石の鉱物粒からなり、細かいために円磨されているものは少ない。シルトはわずかな動きの水流でも運ばれてしまうので、シルト岩には平行葉理が発達していることが多い。シルト岩はあらゆる地質時代の地層にみられるが、とくに海底地すべりによる乱泥流でつくられたタービダイトturbiditeとよばれる堆積物の上部に、下部を形成する砂岩とともに普通に産する。また、大陸地域でレスloessとよばれる陸成の堆積物は、構成物質の粒度組成からみるとシルト岩である。その代表例が中国の黄土である。

[斎藤靖二]

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