シルベステル(読み)しるべすてる(その他表記)Silvester Ⅱ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シルベステル」の意味・わかりやすい解説

シルベステル(2世)
しるべすてる
Silvester Ⅱ
(940ころ―1003)

ローマ教皇(在位999~1003)。本名ジェルベール・ドーリアック。初めてのフランス人教皇。貧家の出であったが、フランス、スペイン、イタリアで学問を修めたのち、ランス司教座聖堂付属学校校長となる。ドイツではオットー3世の皇帝即位を助け、フランスではユーグ・カペー選出を支持、後者によりランス司教に選ばれ、さらにオットーにより教皇に指名された。ポーランドおよびハンガリーに大司教座を置き、初代ハンガリー王としてイシュトバーン1世に加冠した。教会改革を推進し、シモニー聖職売買)、ネポティズム(親族登用主義)の克服と司祭独身制の遵守に努め、学問のうえではとくに数学、論理学、幾何学などの発展に寄与した。

[梅津尚志]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android