シルミン(その他表記)silumin

関連語 大久保 名詞

改訂新版 世界大百科事典 「シルミン」の意味・わかりやすい解説

シルミン
silumin

ケイ素をおもな添加元素とする鋳物用のアルミニウム合金。湯流れがよく収縮も少ないので鋳造性がよい。また複雑な形状の鋳物にも使用され,耐食性も比較的良好である。もとはアルミニウムにケイ素約12%の二元共晶合金をシルミンといった。これは強度はさほど高くないが,鋳造性がよい。このシルミンのケイ素を減らしてマグネシウムを加え,熱処理により析出硬化させて強さを高めるγ-シルミン,マグネシウムの代りに銅を加える含銅シルミンなどの種類がある。シルミンの鋳造では鋳込み直前にナトリウムなどを加えることにより,鋳造組織を微細化し鋳物の性質を改善する改良処理が行われている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「シルミン」の意味・わかりやすい解説

シルミン

ケイ素を加えた鋳造用アルミニウム合金。ケイ素を減じ,マグネシウムを加えたαシルミン,銅を加えた含銅シルミンが多く使われる。鋳肌(いはだ)が美麗で,機械・計器部品など薄肉鋳物に向く。
→関連項目軽合金

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のシルミンの言及

【アルミニウム合金】より

…シリンダーヘッドやクランクケースなど自動車のエンジン部品として使用される。(c)Al‐Si系合金(AC3A)は,Si10~13%を含む共晶合金で,シルミンSiluminとも呼ばれる。とくに鋳造性がよく,薄肉で複雑な形状のものに適するが,強度は高くない。…

【アルミニウム合金】より

…シリンダーヘッドやクランクケースなど自動車のエンジン部品として使用される。(c)Al‐Si系合金(AC3A)は,Si10~13%を含む共晶合金で,シルミンSiluminとも呼ばれる。とくに鋳造性がよく,薄肉で複雑な形状のものに適するが,強度は高くない。…

※「シルミン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む