シロツメクサ(読み)しろつめくさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シロツメクサ」の意味・わかりやすい解説

シロツメクサ
しろつめくさ / 白詰草
[学] Trifolium repens L.

マメ科(APG分類:マメ科)の多年草クローバーシロクローバー)、オランダゲンゲともいう。アジア、ヨーロッパの温暖な地域の原産帰化植物である。茎は地をはって長く伸び、葉の付け根の各節から根を出す。葉は10センチメートルほどの葉柄が立ち、先に3枚の小葉をつける。小葉は卵形または心臓形で表面に白い斑紋(はんもん)がある。春から夏に、葉の付け根から10~30センチメートルの花柄を伸ばし、先に白色または薄い紅色の蝶形花(ちょうけいか)を多数、球状に集まってつける。牧草として広く栽培され、放牧地にはイネ科牧草といっしょに育てられることが多く、果樹園の下草や道路の保全用としても植えられる。江戸時代に、オランダから長崎に輸入されたガラス製品の梱包(こんぽう)材として、この草を乾燥したものが用いられ、その中の種子が発芽して広がったのが始まりで、詰草の名の由来もこれにある。

[星川清親 2019年10月18日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シロツメクサ」の意味・わかりやすい解説

シロツメクサ(白詰草)
シロツメクサ
Trifolium repens; clover

マメ科の多年草で,ヨーロッパ原産。一名オランダゲンゲ。通常はクローバーの名で呼ばれている。往時オランダ人がガラス器を送るときに詰め物として渡来したという。現在は野生化して日本各地に普通にみられる。茎は地面をはい長柄の3出複葉をつける。花は 10~20cmの花柄に散形について球状になる。個々の花は小さな蝶形花で,色は白色であるが,しばしば淡紅色を帯びる。同属のムラサキツメクサ T. pratenseとともに牧草としても有用である。

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