シーズー(読み)しーずー(英語表記)shih tzu

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シーズー」の意味・わかりやすい解説

シーズー
しーずー
shih tzu

哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。家畜イヌの1品種で、原産は中国(チベット地方)。現地の寺院でたいせつに飼育されていた小形犬ラサアプソから作出されたといわれている。全身に長毛を有し、頭部では顔面に垂れたり、目や鼻もほとんど覆われんばかりである。頭部は丸く、口吻(こうふん)は四角くて短く詰まっているが、チンペキニーズほどではない。歯のかみ合せはアンダーショット(下あごの前歯が上あごの前歯より突き出た状態)を原則とする。小形のわりに体躯(たいく)はしっかりとしている。短脚で、歩行時にはわずかにローリング横揺れ)がみられる。体高は雌雄ともに26.5センチメートル以下、体重は8キログラム以下。毛色には標準がないが、グレーと白、グレーエンドタンと白のものが多いようである。愛玩犬(あいがんけん)として人気が高い。

増井光子

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シーズー」の意味・わかりやすい解説

シー・ズー
shih tzu

イヌの1品種。祖先はチベット原産のラサ・アプソといわれる。 17世紀から中国 ( ) の宮廷で愛玩犬として飼育され,現在の姿に改良された。長らく門外不出のイヌであったが,1930年代にイギリスに持出され,世界中に広まった。性質は快活で,ヒトによくなれるが,やや頑固なところがある。丈夫なうえ手入れも簡単なので,室内犬として人気が高い。体高 27cm以内,体重 4.5~7.3kg。全身が長い毛でおおわれる。四肢は短く,胴が長い。頭部は丸く,吻が短い。歯は切端咬合か,わずかに反対咬合である。垂れ耳で,目と目の間隔は離れ気味。長い飾り毛が目の上と鼻・口の周囲に放射状に生え,キク (菊) の花のように見えるのが特徴である。尾にはふさふさした毛が生え,背に巻く。毛色は多様であるが,顔と尾に白色が混じるのがよいとされる。

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