日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジャルー」の意味・わかりやすい解説
ジャルー
じゃるー
Edmond Jaloux
(1878―1949)
フランスの小説家、評論家。マルセイユに生まれる。16歳で最初の詩集、21歳で最初の小説『愛の終末』を発表。以後40冊ほどの小説を発表し、1909年フェミナ賞を受賞、20年アカデミー・フランセーズ文学大賞を受賞、36年にはアカデミー会員に選ばれた。ドイツ・ロマン派文学の影響を強く受け、リルケ、エドガー・ポー、シュニッツラーなどに心酔した。したがって作風はロマンチックであり、一時代前の自然主義には反発したが、シュルレアリスムのよき理解者でもあった。ジャルーが作家として活躍したのは1920年代までで、晩年は『ヌーベル・リテレール』紙を中心に文芸時評の筆を振るった。
[稲田三吉]