ジャート(読み)じゃーと(英語表記)Jāt

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジャート」の意味・わかりやすい解説

ジャート
じゃーと
Jāt

インドの西部および北西部に広く居住する農耕民カースト。彼らが村内の有力カーストをなす村も多い。おおむねヒンドゥー、イスラムシークのいずれかの宗教に属する。トランス・オクシアナ地方を原住地とする説がある。ジャート勢力の発展は、1669年土豪(ザミーンダール)ゴークラーのもと、アグラ近郊の農民ムガル帝国の地方役人に反抗して蜂起(ほうき)したことに始まる。これはすぐ鎮圧されたが、1685年以後ラージャ・ラーム(1688年アクバル帝廟(びょう)を略奪)やチャウラーマンのもとに反抗を継続し、1757年バダン・シングのもとでバーラトプル王国を樹立した。後継者スーラジ・マルの時代、ラージャスターン東部から中部ドアーブ地方にかけて支配権を拡張したが、その後衰微した。

長島 弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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