改訂新版 世界大百科事典 「ジャーンシー」の意味・わかりやすい解説
ジャーンシー
Jhānsi
インド北部,ウッタル・プラデーシュ州の同名県の県都。人口38万3248(2001)。州都ラクナウの南西約280km,ガンガー(ガンジス)川の支流,ベートワーBetwā川がデカン高原を刻む谷筋に位置する。インド大平原の中央部とデカン高原を結ぶ交通路の要衝を占め,1613年に地方領主の城郭都市として生まれた。1742年にマラーターの勢力下に編入され,1857年の第1回反英独立戦争(インド大反乱)では,4年前に没したジャーンシー藩主の意志を継いで,その妃ラクシュミー・バーイーが軍勢を率いて勇敢に戦い,インドのジャンヌ・ダルクと呼ばれるようになった。アーグラ,カーンプル,アラーハーバード,ボーパールなどの主要都市と鉄道・道路で結ばれる。周辺地域の農産物集散地として,また,鉄道車両整備工場,金属・鉄鋼工業なども発達する商工業都市である。
執筆者:中山 修一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報