ジュズサンゴ(英語表記)rouge plant
bloodberry
Rivina humilis L.

改訂新版 世界大百科事典 「ジュズサンゴ」の意味・わかりやすい解説

ジュズサンゴ
rouge plant
bloodberry
Rivina humilis L.

西インド諸島メキシコ,北アメリカ南部原産のヤマゴボウ科の多年草。細い総状花序に紅色の小さな果実を多数つけ,数珠玉を連ねたように見える。茎は直立して高さ0.3~1m,緑色で柔らかいが,下部は木質化して低木状である。葉は薄く,互生し,卵形で先がとがり,長さ4~12cm,幅2~6cm,縁に鋸歯がない。夏から秋にかけて枝先にできる花序に,多数の小さな淡紅白色の花がつく。花は,4枚の花被と4本のおしべ,1室で1個の胚珠をもつめしべからなる。果実は球形で液質,径3mm,1個の種子をもつ。一列に連なる果実が美しいので,観賞用に栽培される。春に種子をまくと秋から冬に結実するので,一年草としても扱われる。小笠原の父島には帰化している。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジュズサンゴ」の意味・わかりやすい解説

ジュズサンゴ
じゅずさんご / 数珠珊瑚
[学] Rivina humilis L.

ヤマゴボウ科(APG分類:ジュズサンゴ科)の常緑多年草。古株は基部が木質化する。鉢植えでは高さ約30センチメートルで開花、結実するが、地植えでは1メートル以上になる。葉は互生し、長卵形で長さ6~8センチメートル、質は薄く、長い柄がある。茎の上部の葉腋(ようえき)から長さ10センチメートル以上の花茎を横向きに出し、総状花序をつける。花は目だたないが、開花後、数珠(じゅず)状の赤色の小さい果実を多数結実し、美しい。果実が黄色い品種もある。北アメリカ南部、メキシコ、南アメリカ北部の原産で、大正初年に渡来した。実生(みしょう)または挿木で殖やす。8℃以上で越冬する。

[高林成年 2021年2月17日]

 APG分類ではジュズサンゴ属などがジュズサンゴ科(ペティウェリア科)として独立した。世界に9属20種がある。

[編集部 2021年2月17日]


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