ジョン・D.ロックフェラー(英語表記)John Davison Ⅰ Rockefeller

20世紀西洋人名事典 の解説

ジョン・D.(1世) ロックフェラー
John Davison Ⅰ Rockefeller


1839.7.8 - 1937.5.23
米国実業家,慈善家
ニューヨーク州リッチフォード生まれ。
農産物仲買商の会計係の後、1863年以降のブーム期に石油精製業を始め、1870年スタンダード・オイル社を設立した。その後10年足らずのうちに全米石油精製業の約9割を支配する。1882年「トラスト方式」を採用し、スタンダード石油トラストを設立、全産業を席巻する企業合同運動の先駆者となる。1911年トラストを改組したニュージャージー・スタンダード石油会社がシャーモン法により解散を命ぜられ引退ロックフェラー財団を設立し、晩年慈善事業に多額の寄付をするなど社会活動に専念した。1893年シカゴ大学などの設立者としても知られる。次男ネルソンは副大統領を務めた。石油王。


ジョン・D.(2世) ロックフェラー
John Davison Ⅱ Rockefeller


1874.1.29 - 1960.5.10
米国の実業家,慈善家。
オハイオ州クリーブランド生まれ。
1897年以降父の仕事に協力し、特に慈善事業と国家奉仕に専念した。ハイデルベルク大学などの教育援助や、プロテスタント神学の向上、エキュメニカル運動、アメリカ合衆国キリスト教協議会、世界教会運動などの宗教組織にも多額の財政援助をしている。その他にも、アメリカと外国の記念碑の維持、図書館、博物館、国際協調に協力する組織、YMCAYWCAなどに幅広く援助を行った。父親ロックフェラー財閥創始者のJ.D.ロックフェラー。


ジョン・D.(4世) ロックフェラー
John D. Ⅳ Rockfeller


1937.6.18 -
米国の政治家。
1957〜59年国際基督教大に留学し、英語を教える一方で日本語を学んだ。帰国後エール大学院で中国語を学び、平和部隊一員としてフィリピン勤務、’63年国務省極東局インドネシア担当官、同局副局長、青少年問題委員会の後、’81年ウェスト・バージニア州知事。85年から上院議員。日本関係の論説を「ライフ」誌や「ニューヨーク・タイムズ」紙などに寄稿するかたわら、アメリカ官界きっての知日家として日米交化交流に尽くす。国際文化会館会員。


ジョン・D.(3世) ロックフェラー
John Davison (Ⅲ) Rockefeller


1906.3.21 - 1978.7.10
米国の実業家。
元・ロックフェラー財閥当主,元・ロックフェラー財団理事長。
1951年サンフランシスコ平和会議代表、’52〜70年日米協会理事長、ニューヨーク日米協会会長、文化・学術諸団体役員を歴任。’68年勲一等旭日大綬章、’73年には国際交流基金賞。戦前戦後を通してしばしば来日している。父はJ.D.ロックフェラー(2世)。

出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報

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