日本大百科全書(ニッポニカ) 「YWCA」の意味・わかりやすい解説
YWCA
わいだぶりゅーしーえー
キリスト教女子青年会Young Women's Christian Associationの通称。キリスト教の信仰に基づいて、会員相互の人格の向上と、奉仕の精神の高揚を図り、キリスト教の理想とする社会の建設を目的とする世界的な青年女子を中心とする女性団体。1855年エマ・ロバーツEmma Robertsがロンドンで祈り会Prayer Unionを組織したことに始まる。クリミア戦争中に従軍したキナードMary Jane Kinnaird(1816―88)が看護婦のホームを設けてこれをYWCAとよんだ。これらの団体は77年に合同し、94年には各国のYWCAが加盟して世界YWCA同盟が結成された。初めは、ロンドンに本部を置いたが、1930年からジュネーブに移った。
日本YWCAは1905年(明治38)に創立され、翌年世界YWCA同盟に加盟し、会員相互の交わりを深めるとともに、世界の平和、女性の人権、アジアにおける日本のあり方などについて活動を促進している。2000年(平成12)現在、会員約7000人。26の都市YWCAがあり、全国に33の中・高等学校YWCAの組織がある。なお、同趣旨の男子のキリスト教青年会の組織としてYMCAがある。
[竹中正夫]
『日本キリスト教女子青年会編『水を風を光を――日本YWCA80年』(1987・日本キリスト教女子青年会)』