六訂版 家庭医学大全科 「じん肺」の解説
じん肺(珪肺症、石綿肺)
じんぱい(けいはいしょう、せきめんはい)
Pneumoconiosis (Silicosis, Asbestosis)
(呼吸器の病気)
どんな病気か
空気中に浮遊する微粒子(約1~5㎛)である粉じんを肺に吸入することによって肺に生じる病気で、肺内に線維性病変などをつくります。多くは、粉じんを吸入する環境ではたらく場合に発症することで、職業性疾患に分類されます。粉じんの吸入から発症までには、吸入する粉じんの量にもよりますが、一般に長期間を必要とします。
原因は何か
粉じんの吸入によって起こりますが、粉じんの種類は数多くあります(表15)。病気になるのは、この粉じんが肺内に沈着して、肺の線維化、気管支炎、気管支拡張などを起こすためです。そのため、病変が進行すると肺からの酸素の取り込みの低下が強まって、呼吸困難などが生じます。
代表的なものには、鉱山、石工、トンネル工事などで起こる
中島 正光
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報