改訂新版 世界大百科事典 「ストロビランセス」の意味・わかりやすい解説
ストロビランセス
Strobilanthes dyerianus Mast.
キツネノマゴ科イセハナビ属Strobilanthesの多年草で,原産地はミャンマー。原産地では低木状となる。和名のウラムラサキは,葉裏が紫紅色であることによる。あらく分枝して茂る草本質の低木で,茎には毛がある。先のとがる楕円状披針形の葉を対生してつけ,葉柄はない。葉は表に金属光沢のある青色と藤色の斑(ふ)があって美しく,若葉は裏面が紫紅色であるが,老葉になると銀白色となる。花は,立ち上がる穂状花序に,キリの花に似た長さ4cmぐらいの淡黄色花を咲かせる。挿木により苗を作り鉢植えを行うが,用土は排水のよい土がよい。高温多湿を好むため,しばしば葉に霧をかけ,夏の間は半日陰にし,冬季は最低15℃以上を保つようにする。もっぱら鉢物としてその葉を観賞する。
イセハナビ属Strobilanthesは300種以上を含む大きな群で,その大部分は東南アジアの亜熱帯から熱帯域に分布し,美しい大きな花をつける種がある。
執筆者:柳 宗民
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報