キツネノマゴ科(読み)キツネノマゴか(その他表記)Acanthaceae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キツネノマゴ科」の意味・わかりやすい解説

キツネノマゴ科
キツネノマゴか
Acanthaceae

双子葉植物シソ目の1科。熱帯地方を中心に 250属 2500種ほどがある大きな科である。分布の中心は熱帯アジア,ブラジル,中央アメリカ,熱帯アフリカおよび地中海周辺のやや乾燥した暖温帯で,日本などの東アジア,アメリカ合衆国オーストラリアなどにも知られる。木本は少く,大半多年草でときに低木状,生育地は熱帯雨林中の沼沢地から乾燥地まで幅広く,つる植物も含まれる。葉は対生し単葉であるが切込むものも多い。花茎は通常直立し,総状や穂状の花序 (→総状花序 , 穂状花序 ) をつけ,花は包に抱かれる。この包はときに大型化し,豊かな色彩で目立つものも多い。観賞用に栽培されるものが多く (ベロペロネなど) ,また,代表属のアカンサス Acanthus (ハアザミなど) はギリシア建築の柱飾りのモチーフとして有名である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キツネノマゴ科」の意味・わかりやすい解説

キツネノマゴ科
きつねのまごか
[学] Acanthaceae

双子葉植物、合弁花類。草本、低木、つる性のものもある。葉は対生、一般に鍾乳(しょうにゅう)体を有する。花は両性左右相称。花冠は等しく5裂するか二唇形または一唇形。雄しべは4本または2本で花筒につく。子房は上位で2室。ゴマノハグサ科に近いが、一般に種子が無胚乳(はいにゅう)で、鉤(かぎ)状のつめにつく点で区別される。世界の熱帯と地中海地域を中心に約250属2500種を有する。日本にはキツネノマゴハグロソウなど5属10種が分布する。

寺尾 博 2021年10月20日]

 APG分類でもキツネノマゴ科とされる。分子系統解析の結果、ヒルギダマシ属が含まれるようになった。この分類による2018年のデータによると世界におよそ250属2500種があり、日本には9属13種がみられる。

[編集部 2021年10月20日]


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