ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スヘンデル」の意味・わかりやすい解説
スヘンデル
Schendel, Arthur (-François-Émile) van
[没]1946.9.11. アムステルダム
オランダの小説家。新ロマン派の代表者。中学校の英語教師の資格をとり,一時イギリスで教職につき,その後作家生活に入る。イタリアに数年間滞在。オランダ文壇の自然主義的傾向のなかで,中世イタリアを舞台に青年貴族の運命を扱った処女作『ドロゴン』 Drogon (1896) で一躍認められた。次作『放浪者の恋』 Een Zwerver verliefd (1904) や『迷える放浪者』 Een Zwerver verdwaald (07) も同じように中世を描いた作品。その後,オランダ人の生活および運命を克明に追求した一連の小説を発表。そのうち『3本マストのヨハンナ・マリア号』 Het Fregatschip Johanna Maria (30) は,汽船が登場した時代の帆船の運命を描いたもので,傑作と認められる。ほかに,『水夫』 De Waterman (33) ,『オランダのドラマ』 Een Hollandsch drama (35) などがあり,晩年には幻想的な作品を書いた。
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