スポラデス諸島(読み)すぽらですしょとう(英語表記)Sporádhes

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スポラデス諸島」の意味・わかりやすい解説

スポラデス諸島
すぽらですしょとう
Sporádhes

ギリシア東部、エーゲ海にある島々。北スポラデス諸島と南スポラデス諸島からなる。スポラデスとは「散在する島々」の意で、古代には一般にエーゲ海上の島嶼(とうしょ)をさした。北スポラデス諸島には、トラキア・スポラデス(イムロス、サモトラキ、タソス、リムノス、聖エフストラティオスおよび周辺の島々)と、テッサリア・スポラデス(狭義のスポラデスで、エビア半島北東のスキアソス、スコペロス、ペリステリ、スカンズーラ、スキロスなどの各島)が含まれる。南スポラデス諸島は、西スポラデス(イドラ、スペッツア、ポロスなどの各島)、東スポラデス(ドデカネス諸島を除く小アジア近くの島々)、およびドデカネス諸島からなる。オリーブ油、ワイン、果樹栽培、漁業、ヒツジとヤギの放牧が産業の中心をなす。狭義のスポラデス諸島の中心はスキロス島で、大理石の産地として知られる。

[真下とも子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スポラデス諸島」の意味・わかりやすい解説

スポラデス諸島
スポラデスしょとう
Sporádhes

ギリシア,エーゲ海にある島群。スポラデス (ギリシア語で「散在する」の意) の名が示すように,広義には,エーゲ海南部に比較的まとまって位置するキクラデス諸島に対し,エーゲ海に散在するそれ以外の島々 (バルカン,小アジア両半島に近接する島は除く) の総称であるが,狭義には,北西部,エビア島北東沖に連なる北スポラデス諸島 (スキロス,スキアソス,スコペロス,アロニソス,キラパナイア) と,南東部,小アジア半島西岸沖に連なる南スポラデス諸島 (サモス,イカリア,ドデカニソス諸島) をさす。古代にはキクラデス諸島南部の比較的散在するミロス,フォレガンドロス,シキノス,シラ,アナフィの島々も含めて呼ぶこともあった。

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