日本大百科全書(ニッポニカ) 「スモルコフスキー」の意味・わかりやすい解説
スモルコフスキー
すもるこふすきー
Marian von Smoluchowski
(1872―1917)
ポーランドの物理学者。オーストリアの生まれ。ウィーン、パリ、グラスゴーの各大学で学んだ。1897年ベルリン大学に務めたのち、1900年ウクライナのレンベルク大学理論物理学教授、1913年ポーランドのクラクフ大学実験物理学教授となった。1906年アインシュタインと独立にブラウン運動の理論を築き、その発展に努力した。これによって分子熱運動の実験的検証を可能にし、原子観の確立に寄与するとともに、統計力学の発展を促した。気体、液体内部の温度や密度のゆらぎ現象を研究し、臨界タンパク光の現象を理論的に解明(1907)、またレイリーの青空の理論(空の青さを説明する理論)を実証した。ほかに疎水コロイド粒子の凝結に関する理論(スモルコフスキーの凝結速度式)がある。
[常盤野和男]