セラヤ(その他表記)Zelaya, Manuel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セラヤ」の意味・わかりやすい解説

セラヤ
Zelaya, Manuel

[生]1952.9.20. カタカマス
ホンジュラスの政治家。大統領在任 2006~09)。フルネーム José Manuel Zelaya Rosales。ホンジュラス国立自治大学で土木工学を学ぶが中退,林業および畜産業に従事した。1970年自由党入党,1985年に国会議員に選出された。1998年まで議員を務めたのち,1998~2002年投資大臣を務めた。2005年の大統領選挙で,国民党のポルフィリオ・ロボ・ソサに僅差で勝利を収め,2006年に就任。セラヤ政権は犯罪,とりわけ国内で続く麻薬取引撲滅に重点を置いたが,任期中に犯罪問題を解決することはできなかった。大統領就任後,自由党の中道右派的な姿勢からしだいに距離を置き,党内の支持を失い始めた。2008年にホンジュラスは,ベネズエラキューバが 2004年に結成した左派同盟「米州ボリバル代替統合構想」に加盟した。2009年,みずからの再選を可能にする憲法改正の是非を問う国民投票を実施しようとしたが,同年 6月28日,軍のクーデターにより失脚。軍と議会はかねて国民投票に反対を表明しており,最高裁判所もこの投票に違憲判決をくだしていた。セラヤは即日,軍の手でコスタリカに移送された。2010年1月,ドミニカ共和国亡命

セラヤ
Celaya

メキシコ中部,グアナフアト州南東部の都市。メキシコ市の北西約 200km,メキシコ高原南西部を占めるバヒオと呼ばれる肥沃盆地にあり,レルマ川支流ララハ川の北岸近くに位置する。標高約 1760m。 1571年建設。 19世紀のメキシコ史上重要な役割を果した町で,独立戦争時にはスペイン軍と独立運動派によりかわるがわる支配された。またメキシコ革命後に続いた革命派内の抗争で,1915年 A.オブレゴンが激戦ののち,パンチョ・ビリャを破った地としても知られる。レルマ川上流の河水を利用した灌漑施設が整備されてから周辺一帯の農牧業が発達し,市はその重要な中心地となった。主要作物はトウモロコシ,豆類,小麦などで,ウシ,ブタ,ヤギなどの飼育も盛ん。酪農,織物工業も市の収入源となっており,「セラヤのカヘタ」と呼ばれる砂糖菓子の製造でも知られる。メキシコの建築家で,また彫刻家,画家,詩人でもある F.E.トレスゲラス (1765~1833) の生地で,市には彼の代表作とされるカルメン聖堂 (1807) をはじめ,多くの作品がある。交通の要地で,鉄道,道路が分岐する。人口 31万 5577 (1990推計) 。

セラヤ
Celaya, Gabriel

[生]1911.3.18. エルナニ
[没]1991.4.18. マドリード
スペインの詩人。本名 Rafael Múgica Celaya。処女詩集『沈黙の潮』 Marea del silencio (1935) が翌年のベッケル 100年祭賞を受けた。おもな詩集に『他者は沈黙』 Los demás son silencio (1952) ,『急ぎの詩』 Poesía urgente (1960) ,『カンタータ2編』 Dos cantatas (1963) がある。著作は小説や文芸批評にもわたっており,1963年,全作品に対してイタリアの国際自由出版賞が贈られた。

セラヤ
Zelaya, José Santos

[生]1853.11.1. マナグア
[没]1919.5.17. ニューヨーク
ニカラグアの独裁者。大統領 (在任 1893~1909) 。リベラル派の指導者としてクーデターで独裁権を獲得,教会の力を制限し,産業の発展に努めた。中央アメリカ連邦の再興を目指して隣国に介入したため,1909年アメリカに支援された反乱軍に追われ,10年メキシコに亡命した。

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世界大百科事典(旧版)内のセラヤの言及

【ラワン】より

…フィリピンのとくにミンダナオ島の伐採が進んだ結果,ラワン材の資源が乏しくなり,近年はボルネオおよびスマトラがもっぱら南洋材の供給源となっている。これらマレー語圏ではラワンに相当する樹種および木材(すなわちサラノキ属などの樹種で,木材が比較的軽軟なもの)をメランチmerantiまたはセラヤserayaと呼んでおり,日本の木材市場でもこの名で広く通用している。外材【緒方 健】。…

※「セラヤ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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