現代アメリカのもっともすぐれた挿絵画家、絵本作家。ポーランドから移民したユダヤ人家庭に生まれる。高校卒業後ニューヨークでの窓装飾の仕事を経て、この道に入る。中世の装飾写本、ブレイク、ローランドソン、クルックシャンク、コールデコット、ドイツ・ロマン派のルンゲなどの挿絵を積極的に学び、その技法を自家薬籠(やくろう)中とし、制作を行う。舞台美術もこなす。代表作の三部作『かいじゅうたちのいるところ』(1963)、『まよなかのだいどころ』(1970)、『まどのそとのそのまたむこう』(1981)では、幼少期の自分の内面生活を通し、子供の心の深層に迫る。また、二つのわらべ唄(うた)による物語絵本『わたしたちもジャックもガイもみんなホームレス』(1993)では、現代社会で危機的状況に置かれている子供たちに目を注ぎ、ソシアル・ポインターとしての役割も果たす。ほかに『ロージーちゃんのひみつ』(1960)、『ちいさなちいさなえほんばこ』(1962)などがある。コールデコット賞(1964)、国際アンデルセン賞(1970)など多くの賞を受賞。
[吉田新一]
『中村妙子訳『ロージーちゃんのひみつ』(1969、改訂版1983・偕成社)』▽『神宮輝夫訳『かいじゅうたちのいるところ』(1975・冨山房)』▽『神宮輝夫訳『ちいさなちいさなえほんばこ』全4巻(1981・冨山房)』▽『神宮輝夫訳『まよなかのだいどころ』(1982・冨山房)』▽『脇明子訳『まどのそとのそのまたむこう』(1983・福音館書店)』▽『島多代・脇明子訳『センダックの絵本論』(1990・岩波書店)』▽『神宮輝夫訳『わたしたちもジャックもガイもみんなホームレス――ふたつでひとつのマザーグースえほん』(1996・冨山房)』▽『レインズ著、渡辺茂男訳『センダックの世界』(1982・岩波書店)』
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