日本大百科全書(ニッポニカ) 「センネンダイ」の意味・わかりやすい解説
センネンダイ
せんねんだい / 千年鯛
emperor red snapper
[学] Lutjanus sebae
硬骨魚綱スズキ目フエダイ科に属する海水魚。和歌山県、高知県から南西諸島、兵庫県香住(かすみ)海岸以南の日本海、小笠原(おがさわら)諸島、台湾、南シナ海、東南アジア、西太平洋、インド洋、および紅海に広く分布する。体高は高く楕円(だえん)形で、よく側扁(そくへん)する。吻(ふん)は突出し、吻端は細い。成魚では頭部前縁は背びれの前方でよく膨出する。体側鱗(りん)は上方も下方も斜め上後方に向かう（幼魚では不明瞭(ふめいりょう)）。背びれと臀(しり)びれの軟条部は後方に角張る。体は美しい桃赤色で、3条の濃赤色横帯が背びれ棘(きょく)部から放射状に広がる。成魚の体は一様に赤い。腹びれ、背びれ軟条部、臀びれ前縁、尾びれ両葉の先端は黒い。幼魚や未成魚では体は桃白色で3本の川の字に見える赤色～暗赤色のよく目だつ特徴的な横帯があり、すべてのひれにかかる。第1帯は目を横切る。最大全長は約1メートルであるが、普通は約60センチメートル。沿岸の岩礁やサンゴ礁域に生息する。肉食性で魚類、甲殻類、頭足類などを食べる。12年ほど生きる。釣り、底引網などで漁獲される。沖縄諸島ではサンバナーとよばれ、重要な食用魚で、高価である。肉は白身で、刺身、焼き物、煮つけなど多くの料理に使われて賞味される。近縁種にヨコフエダイ、ヒメフエダイがある。
［赤崎正人・尼岡邦夫 2017年4月18日］
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