改訂新版 世界大百科事典 「ゼーヤ川」の意味・わかりやすい解説
ゼーヤ[川]
Zeya
ロシア連邦極東地方,アムール州を流れる川。アムール川左岸(東岸)の大きな支流。長さ1242km,流域面積23万3000km2。初めスタノボイ山脈の南斜面におこり,本流と多くの支流がともに上ゼーヤ盆地に集まり,さらに数条の山脈を横断して〈ゼーヤ門〉と呼ばれる峡谷をぬけてゼーヤ・ブレヤ平野にいたり,南に流れてブラゴベシチェンスク市の下流でアムール川に注ぐ。平野部では旧河道,湿地帯,三日月湖などがきわめて多く,典型的な洪水地形を形成している。流域は夏季も多雨で,濁流がしばしば氾濫する。1970年代に〈ゼーヤ門〉に洪水調節用ダムが建設された。アムール川から汽船が約500km上流のゼーヤ市までさかのぼり,木材運搬に利用されるが,11月上旬~5月上旬は凍結する。
執筆者:渡辺 一夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報