ブラゴベシチェンスク(英語表記)Blagoveshchensk

デジタル大辞泉 「ブラゴベシチェンスク」の意味・読み・例文・類語

ブラゴベシチェンスク(Blagoveshchensk/Благовещенск)

ロシア連邦南東部、アムール州都市。同州の州都中国との国境であるアムール川北岸ゼヤ川合流点に位置し、河港を有す。19世紀半ばに築かれた要塞に起源する。1900年の義和団事件において、中国人に対する虐殺が起きたことでも知られる。1992年に対岸の中国領の町黒河こくかが国境経済開放地域に指定された。

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改訂新版 世界大百科事典 「ブラゴベシチェンスク」の意味・わかりやすい解説

ブラゴベシチェンスク
Blagoveshchensk

ロシア連邦南東部,アムール州の州都。中国との国境,アムール川(黒竜江)とゼーヤ川との合流点に近く,シベリア鉄道本線のベロゴルスクからの鉄道支線終点。人口21万7716(2004)。船舶修理,木材加工,農産物加工,農業機械修理,水産物加工などが盛んである。1856年に軍事哨所としてはじまり,58年に町となったが,十月革命前は商業中心であった。農業,教育,医学,工業の諸大学がある。
執筆者: 1900年の中国の義和団運動に際し,ロシア軍がここで行った中国人大量虐殺事件で,日本にはよく知られた。中国東北地方における義和団の蜂起に対し,ロシア軍は同年7月15日午後2時黒竜江の渡河を禁止し,ロシア領内に在留した多数の中国人を捕らえ翌朝これを虐殺した。当時,同地に滞在した日本陸軍の石光真清はその数3000と書いているが,5000あるいは6000ともいい,なかには10万という説もある。これ以後ロシア軍は黒竜江を渡り,璦琿(あいぐん)(現,愛輝)など中国の町や村を焼き払い,住民を虐殺した。日本では日露開戦に向けて反露感情をあおるために〈アムール河の流血〉と喧伝され,〈西暦一千九百年 うらみは長きアムールや 露人の暴に清の民 罪なく逝けり数五千 いうなかれただ清人と 金色の民かれもまた ああうらみなり残虐の 蛮族いかで許すべき〉(青木得三作詞《征露歌》)などの歌も流行した。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「ブラゴベシチェンスク」の意味・わかりやすい解説

ブラゴベシチェンスク

ロシア,東部シベリア,中国との国境付近にある都市で,アムール州の州都。アムール川の左岸,ゼーヤ川との合流点に位置している。造船家具マッチなどの工業が行われる。1858年創設。1900年,義和団運動に際しロシア軍が当地在留の中国人を大量虐殺,日本では〈アムール川の流血〉と呼ばれ,日露戦争をひかえ反露感情をあおるための格好の事件として喧伝された。20万6561人(2009)。
→関連項目愛輝

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブラゴベシチェンスク」の意味・わかりやすい解説

ブラゴベシチェンスク
Blagoveshchensk

ロシア南東部,アムール州の州都。ゼーヤ川がアムール川に合流する地点に位置する河港都市で,アムール川の対岸に中国のヘイホー (黒河) 市がある。 1856年要塞がつくられたことに始り,以後ロシア極東部の中心地の一つとして発展。農産物加工 (製粉,油脂,酒造) ,木材加工 (マッチ,家具) ,繊維,機械 (採金用機械,電機) ,造船,船舶修理などの工業がある。交通の要地で,アムール川の主要河港があるほか,北東のベロゴルスクでシベリア横断鉄道から分岐する支線が通じ,ハイウェーでスボボードヌイ,ハバロフスクに連絡する。空港もある。人口 21万4397(2010)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラゴベシチェンスク」の意味・わかりやすい解説

ブラゴベシチェンスク
ぶらごべしちぇんすく
Благовещенск/Blagoveshchensk

ロシア連邦東部、アムール州の州都。アムール川河畔の、ゼヤ川との合流点にある河港都市。鉄道支線の終点。人口22万0900(1999)。機械製造(鉱山用、採金用、電気機械、造船)、製紙、家具、縫製、マッチ製造、農産物加工(酒造、乳製品、穀粉、精肉)などの工業がある。1856年にウスチ・ゼイスキー軍事哨所(しょうしょ)として建設され、58年に市となった。1900年の義和団事件に際し、当地でロシア軍による中国人虐殺事件が発生した。

[三上正利]

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