ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゼーリック」の意味・わかりやすい解説
ゼーリック
Zoellick, Robert B.
アメリカ合衆国の政治家。フルネーム Robert Bruce Zoellick。2007～12年，第11代国際復興開発銀行（世界銀行）総裁を務めた。イリノイ州シカゴ郊外のナパービルで育つ。1975年ペンシルバニア州のスワースモア大学で歴史学の学士号を，1979年ハーバード大学ロースクールで法務博士号を，1981年には同大学ケネディ行政大学院で公共政策修士号を取得。その後，3人の共和党大統領のもとで要職を歴任した。レーガン政権下では 1985～88年に財務副次官補。ブッシュ政権では，1989～92年に国務次官，1992～93年にホワイトハウス副首席補佐官および大統領補佐官。1993～97年は連邦住宅抵当公社の副総裁を務めるかたわら，アナポリス海軍兵学校で教鞭をとり，ケネディ行政大学院で研究員を務めた。2000年の大統領選挙ではジョージ・W.ブッシュの顧問を務め，ブッシュが当選すると政府に復帰。2001～05年はアメリカ通商代表部代表として，中国と台湾を世界貿易機関 WTO加入に導いた交渉に携わり，2002年の通商法の議会承認の獲得に向け影響力を発揮した。2005～06年には国務副長官として，特に中国とスーダンの問題に取り組んだ。2006年6月に政権を離れ投資銀行ゴールドマン・サックスの副会長に就任。2007年5月30日，ブッシュ大統領から世界銀行総裁に指名され，6月25日に世界銀行理事会によって承認された。在任中はヨーロッパの債務危機をはじめとする金融危機が相次いだ。2012年6月30日，任期満了に伴い退任。
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