普及版 字通 の解説
7画
[字訓] くろ・しもべ・かいばおけ
[字形] 象形
とち・いちいなど、どんぐり・栗の実の象形。栗はいがの中に実のある形。その実をといい、斗(そうと)という。〔釈名、釈采帛〕に「は早なり。日未だ出でざる時、早くきて物をるに皆し。此の色之(かく)の如きなり」とするが、早は匙(さじ)の象形。早夙の意に用いるのは仮借。斗の色よりして黒褐色をいい、衣服などにその色を用いる農夫牧豎(ぼくじゅ)をいい、また槽櫪(そうれき)の槽と声が通じて、うまやの意となる。〔説文〕一下に「は斗、櫟(くぬぎ)の實なり。一に曰く、象斗なり」(段注本)とあり、がその初文。徐鉉等に白に従うとする説があるが、全体が象形で、斗の象である。
[訓義]
1. 栗・どんぐりなどの実、斗。
2. くろ、あかぐろ、褐色。
3. 褐色の仕事着をつけるもの、農夫、馬飼い。
4. 槽と音が通じ、かいばおけ、うまや。
5. 早と通じ、はやい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 クロシ・ウマフネ 〔字鏡集〕 クロシ・クロキイロ・ムマフネ
[熟語]
衣▶・役▶・▶・裙▶・絹▶・紗▶・桟▶・漆▶・人▶・製▶・▶・斗▶・頭▶・纛▶・▶・白▶・班▶・皮▶・布▶・物▶・袍▶・帽▶・游▶・吏▶・履▶・領▶・輪▶・隷▶・櫪▶
[下接語]
衣・縁・驥・緇・台・駑・服・方・輿・櫪
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報