日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソウハチ」の意味・わかりやすい解説
ソウハチ
そうはち / 宗八
pointhead flounder
[学] Hippoglossides pinetorum
硬骨魚綱カレイ目カレイ科に属する海水魚。太平洋側は福島県以北、日本海側ではほとんど全域、オホーツク海南部、千島列島、沿海州から東シナ海にいたる大陸沿岸域に分布する。下眼は体の右側にあるが、上眼は頭の背辺にあること、口は比較的大きく、目の中央下まで開くこと、側線は胸びれの上方で湾曲しないこと、無眼側の体の中央部は真白色であることなどで他のカレイ類と容易に区別される。水深4~250メートルの砂泥底にすみ、おもに小魚や小形の甲殻類を食べる。産卵期は山陰沖では2~4月、北海道では5~7月で、沿岸にきて産卵する。底引網、刺網などで漁獲される。全長45センチメートルぐらいになる。独特のにおいがあって煮つけや刺身に適さないが、干物にすると臭みが消えて美味である。
[尼岡邦夫]