日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソクシンラン」の意味・わかりやすい解説
ソクシンラン
そくしんらん / 束心蘭
[学] Aletris spicata (Thunb.) Fr.
ユリ科(APG分類:キンコウカ科)の多年草。地下茎は短く、細い根を多数出す。葉は根際から多数出て、長さ30センチメートル、淡緑色、質はやや堅く、3本の脈がある。花茎は縮れた毛があり、直立して高さ30~70センチメートルで、線形の小さい包葉をまばらにつける。花は4~7月、穂状花序につき、筒状で長さ5~6ミリメートル、淡紅色を帯びた白色で、表面には白い縮れた毛がある。山野の草原に生え、関東地方南部以西の本州から沖縄および朝鮮半島、中国大陸、台湾、フィリピンに分布する。ユリ科とされていたが、APG分類で、ノギラン属、キンコウカ属とともにキンコウカ科としてまとめられた。
[河野昭一 2018年10月19日]