ソンブレロ銀河(読み)そんぶれろぎんが

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソンブレロ銀河」の意味・わかりやすい解説

ソンブレロ銀河
そんぶれろぎんが

おとめ座にある銀河。カタログ番号はM104、NGC4594。おとめ座のα(アルファ)星(スピカ)あたりにあり、メキシコ人のかぶるソンブレロという帽子形状が似ているのでソンブレロ銀河とよばれる。肉眼では見にくいが口径10センチメートル程度の望遠鏡で帽子構造がわかる。塵(ちり)による目だつ暗黒帯をもつ円盤と大きな球状部分バルジ)が特徴で、数百個の球状星団に囲まれている。銀河を真横から見ている「エッジオン銀河edge-on galaxy」である。地球からの距離は約3680万光年。実視等級は9.3等、視直径は9分×4分程度。5月下旬の午後9時ごろに南の空に見える。

[編集部 2023年2月16日]


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改訂新版 世界大百科事典 「ソンブレロ銀河」の意味・わかりやすい解説

ソンブレロ銀河 (ソンブレロぎんが)
Sombrero galaxy

M104,NGC4594。おとめ座にある銀河。中南米人のかぶるソンブレロに似た形をしているので,この名前がつけられた。銀河の円盤部分に星間塵が多量にあって後ろの光を隠して暗い帯を作っている。そのため,上下の部分が輝いて見える。距離は3900万光年もある。おとめ座のα星スピカから10度ほど西にあるが,6′×2′と小さく8.1等級と暗いので見つけるのがむずかしい。渦状銀河を真横から見た形になっている。
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百科事典マイペディア 「ソンブレロ銀河」の意味・わかりやすい解説

ソンブレロ銀河【ソンブレロぎんが】

おとめ座にある銀河。M104,NGC4594。ソンブレロに似た形をしている。距離3900万光年。

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