改訂新版 世界大百科事典 「ゾイサイト」の意味・わかりやすい解説 ゾイサイトzoisite ユウレン(黝簾)石とも呼ぶ。Ca2Al3Si3O12(OH)の成分で斜方晶系,緑レン石族に属する造岩鉱物。灰色~緑灰色の,b軸方向に長い柱状結晶で,比重3.15~3.37,モース硬度6。{100}にへき開が顕著。比較的低温で再結晶した塩基性や石灰質の広域変成岩に出現するが,熱水変質を受けた塩基性火成岩に産することもある。Mnを含むものは桃色で,チューライトthuliteと呼ぶことがあり,美しいものは宝石に用いられる。また1967年タンザニアから美しい透明な青紫色の結晶が発見され,宝石名はタンザナイトtanzaniteと呼ばれている。執筆者:青木 謙一郎 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゾイサイト」の意味・わかりやすい解説 ゾイサイトzoisite 緑簾石 (りょくれんせき) 族鉱物の一種。黝簾石 (ゆうれんせき) ともいう。 Ca2Al3Si3O12(OH) 。斜方晶系。単斜晶系の緑簾石が単位胞のスケールで双晶を繰返した構造をしている。b軸方向に伸びた柱状結晶。淡灰ないし淡緑色。複屈折小さく,偏光顕微鏡下では青い異常干渉色を示すことがある。不純な石灰質広域変成岩中に出現することが多いが,まれには塩基性火成岩起源の角閃岩中に出ることもある。緑簾石族鉱物に比較して産出はまれである。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by