ソ連の小説家。画家を父にウクライナのポルタバ市に生まれる。ペテルブルグ大学法科に在学中、志願兵として第一次世界大戦に参加し負傷。1918年に赤軍に参加、のち転々と職をかえる。1921年から短編を発表し、文学団体「セラピオン兄弟」に入る。『シネブリューホフ物語』(1922)でデビュー。主人公の口を借りて小市民根性や俗物根性の残滓(ざんし)を痛烈に風刺し、風刺作家として名声をはせた。1920~1930年代は、時事風刺に筆を振るう一方、『ケレンスキー』(1937)、『タラス・シェフチェンコ』(1939)のような伝記小説も発表した。その後、風刺自伝小説『夜明け前』(1943)、ソ連社会のゆがみを批判した『猿の冒険』(1946)などのため、1946年にジダーノフ批判の対象となった。
[草鹿外吉 2016年1月19日]
『草鹿外吉訳『シネブリューホフ物語』(『世界文学全集29』所収・1967・集英社)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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