ジダーノフ(読み)じだーのふ(英語表記)Андрей Александрович Жданов/Andrey Aleksandrovich Zhdanov

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジダーノフ」の意味・わかりやすい解説

ジダーノフ(Andrey Aleksandrovich Zhdanov)
じだーのふ
Андрей Александрович Жданов/Andrey Aleksandrovich Zhdanov
(1896―1948)

ソ連の政治家。ウクライナマリウポリジダーノフ)出身。十月革命期にウラルで活動。スターリン体制確立の過程で共産党官僚として頭角を現し、1934年の第17回党大会でスターリンを書記長とする4名の書記局員の1人となった。同年のキーロフ暗殺事件後、その後任としてレニングラード(サンクト・ペテルブルグ)の党組織を指導し、独ソ戦中はレニングラード防衛戦を指導した。1930年代からはイデオロギー、文化面を担当し、党の正統路線の確立を図ったが、とりわけ戦後におけるイデオロギー引締め政策は「ジダーノフ批判」として知られる。その下で批判を受け、抑圧された知識人は各分野に及んだ。1947年のコミンフォルム創設ならびにその活動にも影響力をもった。スターリンを忠実に補佐し、スターリン、マレンコフに次ぐ地位にあったが48年に死去した。

[原 暉之]


ジダーノフ(ウクライナ)
じだーのふ
Жданов/Zhdanov

ウクライナ東部にある港町マリウポリМариуполь/Mariupol'の、1948年から1989年まで用いられた名称。当地出身で1948年に死亡した政治家A・A・ジダーノフを記念してつけられたが、ソ連崩壊もとの名に戻った。

渡辺一夫

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジダーノフ」の意味・わかりやすい解説

ジダーノフ
Zhdanov, Andrei Aleksandrovich

[生]1896.2.26. マリウポリ
[没]1948.8.31. モスクワ
ソ連の政治家。 1915年ロシア社会民主労働党 (共産党の前身) に入党し,ウラル地方で革命に参加。 34年共産党中央委員会書記を経て 39年党政治局員。レニングラードの党組織を指導し粛清に加担。第2次世界大戦にはレニングラード防衛戦に参加し陸軍大将となった。 47年コミンフォルム創立会議で「国際情勢について」と題し報告。哲学,歴史学,音楽など多方面で党イデオロギーを押出し,一時は I.スターリンの後継者といわれた。

ジダーノフ

「マリウーポリ」のページをご覧ください。

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