ゾリラ(その他表記)zorilla
Zorilla striata(=Ictonyx striatus

改訂新版 世界大百科事典 「ゾリラ」の意味・わかりやすい解説

ゾリラ
zorilla
Zorilla striata(=Ictonyx striatus

肛門腺から強い悪臭のあるくさい物質を発するスカンクに似たアフリカ産の食肉目イタチ科の哺乳類。体色は黒色の地に白色の縞模様があり,よく目だつ。リビアスーダンから南アフリカ分布。体長28~38.5cm,尾長20~30.5cm,体重420~1400g。昼間は岩穴,木の洞,自分で掘った巣穴,人家の床下などに単独で潜み,夜活動して,ネズミ類,昆虫常食とするほか,鳥の卵,ヘビ類,その他の小動物を食べる。ふだんの動きはゆっくりしていて,長毛の生えた尾を上げ,背中を丸めて歩く姿もスカンクに似ている。イヌなどの敵に襲われると,はじめ全身の毛を逆立てておどし,その効果がないと尾と後半身を上げ,敵に肛門腺からの分泌物を掛ける。分泌物には,スカンクのそれと同様,強力な悪臭があるうえに,目に入ると一時的に失明させる効果がある。雌は,年に1回,9~10月に妊娠期間36日前後で1~3子を生む。飼育下での寿命は13年。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゾリラ」の意味・わかりやすい解説

ゾリラ
ぞりら
zorilla
striped polecat
[学] Ictonyx striatus

哺乳(ほにゅう)綱食肉目イタチ科の動物。アフリカの草原にすむ。体長30~40センチメートル、尾長20~30センチメートル、腹面と四肢は黒で、背は白に2本の黒条が頭の両側から尾の付け根に走る。顔は黒白の斑(はん)で、尾は白っぽい。アメリカのシマスカンクに似ている。習性もスカンクに似ていて、敵に対して尾をあげて、肛門腺(こうもんせん)から悪臭のある分泌物を射出する。夜行性で、昆虫やカタツムリ小鳥や卵、ネズミなどを食べる。交尾期以外は単独で暮らし、日中は岩穴などで過ごしている。1月から3月に2、3頭の子を産む。類似種にリビアゾリラ、シロクビゾリラがいる。

朝日 稔]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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