ゾリンジャー=エリソン症候群(読み)ゾリンジャー=エリソンしょうこうぐん(英語表記)Zollinger-Ellison's syndrome

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ゾリンジャー=エリソン症候群
ゾリンジャー=エリソンしょうこうぐん
Zollinger-Ellison's syndrome

R.M.ゾリンジャーと E.H.エリソンによって 1955年に初めて報告された症候群。膵臓腫瘍からガストリン (胃液分泌作用のある消化管ホルモン) が過剰につくりだされ,治療困難な消化性潰瘍が多発する状態をいう。胃壁や十二指腸壁などに生じるガストリン産生腫瘍過形成も,この症候群の原因となる。胃液は酸度の高いものが大量に分泌され,激しい腹痛吐血下血嘔吐重症下痢などの症状を伴う。空腹時の血中ガストリン値が正常者の約 10倍以上にも達する。治療は腫瘍の摘出が必要である。

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