タイムシェアリング処理(読み)タイムシェアリングしょり(その他表記)time sharing processing

改訂新版 世界大百科事典 「タイムシェアリング処理」の意味・わかりやすい解説

タイムシェアリング処理 (タイムシェアリングしょり)
time sharing processing

コンピューターの処理方式の一つの形態多数の利用者が同一の計算機を同時に使用することができ,各利用者は他の利用者を意識しないで,あたかもその計算機を専有して使っているかのように見える処理方式である。ふつうは中央に大きな計算機が置かれ,離れた場所にある多くの端末装置がこれに通信回線あるいは通信回線網によって接続されている。したがって,オンラインシステムの形をとるが,例えばオンラインの座席予約システムでは,すべての利用者が座席の予約という互いに関連する処理を行うのに対し,タイムシェアリング処理では,各利用者の処理内容は互いにまったく関係ない独立なものと考えられている。

 この処理方式ではバッチ処理と異なり,利用者は解決したい問題ができたとき,端末装置を操作し,計算機と直接やりとり(対話)を行いながら,その場で解答を得ることができる。この処理方式を本格的に実現したのはアメリカマサチューセッツ工科大学CTSSというシステムで,1964年にサービスを開始した。現在ではおもな計算機はこの処理方式を可能にしており,とくに科学技術計算ではこの処理方式が多い。
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百科事典マイペディア 「タイムシェアリング処理」の意味・わかりやすい解説

タイムシェアリング処理【タイムシェアリングしょり】

1台の大型コンピューターを同時に,多数の使用者が時分割(じぶんかつ)して共同利用するシステムの名称TSS(time sharing systemの略)とも。時分割方式。コンピューターの中央処理装置が高速度処理能力を有するのを利用し,分割された時間内に多数の端末装置の一つとデータのやりとりができるように直結するもの。時分割間隔を細かくとるため,各利用者は他の利用者を意識せずに,あたかも中央処理装置を専有しているかのように使える。オンライン・リアルタイム・システムなどに利用。
→関連項目データ通信

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