コンピューターの初期のころから行われた処理方式であり,ある期間に集められたデータやプログラムをまとめて処理するので,一括処理とも呼ばれている。1人の利用者が計算機を専有して使うと,計算機の前で考え込んだりするむだ時間や能率の悪い計算機操作があるので,これを避けるため,利用者と計算機の専任オペレーターとを分離して,ふつうの利用者には計算機を操作させないことが多い。これをクローズドショップ制と呼んでおり,オペレーターは,おおぜいの利用者がパンチカードや磁気テープの形でもってきたデータやプログラムを,計算機の処理が能率よく行われるように,その処理要求の性格から分類し並べ変えて計算機に一括して投入する。これにより高価な計算機の処理能力を効率よく利用できる。
一方,利用者は処理要求を出してから処理結果を得るまで,半日,あるいは1日以上かかるという不便さがある。端末機を通信回線で結んだリモートバッチ処理remote batch processingも行われている。
執筆者:大野 豊
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
コンピュータの運用形態の一つ。データまたはプログラム、あるいはその双方にジョブ制御言語による指示をつけ、コンピュータで処理をすることができる形にしたひとまとまりの仕事をジョブというが、このジョブをいくつかあらかじめまとめておき、中途では利用者が介入できないような手段でそれらを処理するようにした運用形態。一括処理ともいう。また、通信回線を介した入出力装置を用いて行うバッチ処理をリモートバッチ処理とか遠隔バッチ処理という。近年では、起動時に行う環境設定やアプリケーションの実行、あるいは手順が決まっている一定の処理などを、あらかじめ一連のコマンドを用いてひとまとまりの手順として登録しておき連続して処理することをいう。
[土居範久]
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