たくる(読み)タクル

デジタル大辞泉 「たくる」の意味・読み・例文・類語

たく・る

[動ラ五(四)]手繰る意から》
衣服の袖や裾などをまくり上げる。たくしあげる。たくりあげる。「シャツの袖を―・る」
無理に奪い取る。引っ張って取る。ひったくる。
「御堪忍とすがり付き、はうきを―・れば」〈浄・堀川波鼓
無理に頼む。せがむ。
「こりゃさ、拝み申す、くれ申せと、―・りかかれば」〈浄・宵庚申
動詞の連用形に付いて、荒々しく事を行う、盛んに行う、などの意を表す。「塗り―・る」
[動ラ下二]たくれる」の文語形
[類語]まくるめくるまくり上げるまくれるたくれるたくし上げるたぐり上げる

タク・る

[動ラ五]《「タクシー」の略「タク」の動詞化》俗に、タクシーを利用する。タクシーに乗る。「駅から―・る」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「たくる」の意味・読み・例文・類語

たく・る

  1. 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙
  2. 自分のものとして引き寄せる。ひっぱり取る。奪って自分のものにする。
    1. [初出の実例]「ひっつかまへて、かわをきつうたくって、わたくしが、たべて御ざると云」(出典:天理本狂言・柑子(室町末‐近世初))
  3. 自分のほしいままに扱う。
    1. [初出の実例]「座主、姉妹の娘を、別々に置き、思ふほどたくりて、飽き候時」(出典:咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)上)
  4. 衣服の裾や袖などをまくりあげる。
  5. だます。ごまかす。手をぬく。
    1. [初出の実例]「真白に子の筆たくる市が嚊」(出典:雑俳・名付親(1814))
  6. 動詞の連用形に付いて補助動詞のように用い、荒々しく事を行なう、限度をこえて強引にするの意を表わす。「塗りたくる」など。

たくるの補助注記

この語と「たぐる(手繰)」とは、「日葡辞書」に「Tacuri, u, utta(タクル)〈訳〉引っ張って、またはまるめて取る。または力ずくで手から取る」と「Taguri, u, utta(タグル)〈訳〉縄などをまるめながら取る。ナワヲ taguru(タグル)」とが別項目になっていたり、近世多く用例のみられる「たくりかかる」「たくりかける」が清音であったりすることなどから、別語として扱ったが、同語源かどうかは明らかでない。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

とっさの日本語便利帳 「たくる」の解説

タクる

タクシーを使う、タクシーに乗る

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

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