たむし

改訂新版 世界大百科事典 「たむし」の意味・わかりやすい解説

たむし

皮膚真菌症の一つ。医学的には体部白癬はくせん)という。頭部,手足以外の生毛部の角質層に皮膚糸状菌が感染して発症する皮膚疾患。陰股部に生じたものを〈いんきんたむし股部白癬)〉,それ以外の部位に生じたものを〈ぜにたむし〉と称することが多い。通常は水虫,たむしなどの白癬患者から感染するが,ときにはネコ,イヌなどペットの動物の白癬から感染することもある。体幹,四肢,顔面に紅色の皮疹を生じ,しだいに遠心性に拡大する。中心部は軽い色素沈着を残して治癒するが,辺縁部は発赤,小水疱鱗屑りんせつ),痂皮が著しく,堤防状にわずかに隆起する。したがって,皮疹は全体として環状ないし連圏状を呈する。原因の菌種によっては2~3重の同心円状となることもある。通常かゆみを伴う。鱗屑の顕微鏡検査によって原因菌をみつけることにより容易に診断される。治療に際し,入浴,シャワーを励行して皮膚の清潔化に努める。各種の抗白癬剤の外用により数週~数ヵ月で治癒する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「たむし」の意味・わかりやすい解説

たむし
たむし / 田虫

白癬(はくせん)菌の寄生によっておこる皮膚病をいう。いんきんたむしは頑癬(がんせん)、ぜにたむしは斑(はん)状小水疱(すいほう)性白癬の俗称である。

[野波英一郎]

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