日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダゼリオ」の意味・わかりやすい解説
ダゼリオ
だぜりお
Massimo Taparelli D'Azeglio
(1798―1866)
イタリアの政治家、作家。ピエモンテの貴族の生まれ。最初ミラノのロマン主義文学運動に参加し、作家アレッサンドロ・マンゾーニの娘と結婚。ロマーニャ地方の愛国者との接触を契機に、1842年ごろから政治活動を開始した。彼の主張は、蜂起(ほうき)や陰謀によるのではなく、諸邦の君主との同意を獲得しながら改革を積み重ねて、イタリアの独立、統一を達成するというものであった。1849年5月、サルデーニャ王国の首相となり、第一次独立戦争の敗戦処理を行った。議会制度を尊重する一方で、軍隊、経済の再建に努め、サルデーニャ王国を民族運動の中心に置いていった。カブールの登場によってダゼリオの勢力はしだいに奪われ、1852年10月に辞任。作品に愛国的歴史小説『エットレ・フィエラモスカ』(1833)があり、『わが回想録』(1867)も著名。
[藤澤房俊]