ダモダル川(読み)ダモダルガワ(英語表記)Damodar

デジタル大辞泉 「ダモダル川」の意味・読み・例文・類語

ダモダル‐がわ〔‐がは〕【ダモダル川】

Damodar》インド東部を流れ、コルカタ南西フーグリ川に注ぐ川。流域石炭雲母などの産地

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精選版 日本国語大辞典 「ダモダル川」の意味・読み・例文・類語

ダモダル‐がわ‥がは【ダモダル川】

  1. ( ダモダルは Damodar ) インド北東部のチョタナグプル高原に源を発し、東流してガンジス川の一支流フーグリ川に注ぐ川。上中流域は石炭・雲母などの鉱産資源に富み、下流域はインド有数の米作地帯。過去一世紀の間に十数回の大洪水を起こし、「インドの悲しみの川」と呼ばれたが、第二次世界大戦後、上流に多目的ダムが建設されて流量調節が可能となった。全長五五〇キロメートル。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダモダル川」の意味・わかりやすい解説

ダモダル川
だもだるがわ
Damodar

インド東部、ビハール州、西ベンガル州を流れる川。チョタ・ナーグプル高原に発し、東南東流してコルカタ(カルカッタ)の南西でガンジス川の分流フーグリ川に合流する。全長625キロメートル、流域面積2万2000平方キロメートル。流域はインド最大の石炭産地であり、ボーキサイト、石灰岩、雲母(うんも)などの鉱産資源に恵まれ、古くから工業が発達し、ボカロ、アサンソル、ドルガプルなどの重化学工業都市がある。流域の年降水量は約1200ミリメートルであるが、モンスーンの7~10月に集中するため氾濫(はんらん)を繰り返し大きな被害を与えたため、かつては「悲しみの川」とよばれた。1948年以後ダモダル河谷総合開発計画の実施により、四つの多目的ダムが建設され、灌漑(かんがい)、洪水防止、発電が可能となった。豊富な石炭をもとにボカロ、アサンソルなどに三つの火力発電所を建設、上流には灌漑と土壌保全のために小規模ダムが多数つくられた。また、下流のドルガプルには40万ヘクタールの田畑の灌漑が可能な堰(せき)が建設されるとともに、フーグリ川と炭田地帯を結ぶ長さ120キロメートルの運河が掘削された。

中田 高]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダモダル川」の意味・わかりやすい解説

ダモダル川
ダモダルがわ
Dāmodar

インド北東部を流れる川。チョタナーグプル高原に発し,東南東流してウェストベンガル州に入り,コルカタ (カルカッタ) 南西方でフーグリ川に注ぐ。全長約 590km。かつては夏のモンスーン季にしばしば氾濫し,流路を変え,冬季には広い河床に砂地が露出する典型的な荒れ川であったが,1948年ダモダル川河谷開発公社が設立され,洪水調節,灌漑,発電用などの多目的ダム群の建設が始まった。ティライヤ・ダム,バルパーリ・ダム,マイソン・ダム,ボカーロ・ダム,アイヤール・ダム,コナール・ダム,パンチェットヒル・ダムの七つの主要ダムのほか,ボカーロの大発電所やドゥルガープルの大用水路なども建設。流域にインド最大の炭田地帯をもつ。河谷の開発に伴い炭田開発も進み,シンドリの化学肥料,ドゥルガープルの鉄鋼など大規模な工業地帯がある。炭田地帯とフーグリ川流域のコルカタを中心とする工業地帯を結ぶ 130kmの運河も建設された。

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