チカヤ・ウ・タムシ(その他表記)Tchicaya U Tam'si (Gérald Félix Tchicaya)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チカヤ・ウ・タムシ」の意味・わかりやすい解説

チカヤ・ウ・タムシ
Tchicaya U Tam'si (Gérald Félix Tchicaya)

[生]1931.8.25. フランス領赤道アフリカ,ムピル
[没]1988.4.21./1988.4.22. フランス,オアーズ
コンゴの詩人ジャーナリスト。フランス語で執筆マダガスカルジャン=ジョゼフ・ラベアリベロセネガルのレオポルド・セダール・サンゴールとともに,フランス語で書く最も独創性の高いアフリカ人詩人とされる。1946年,政治家であった父に連れられてフランスに渡り,教育を受けた。大学進学を希望したが父が許さず,のちにさまざまな仕事につき自活に入った。作品は故郷のアフリカ的雰囲気を強く匂わせ,アフリカの神話的,性的,キリスト教的イメージを並列させて超現実的な効果を出すことにより,アフリカ人としての苦悩をうたい上げている。代表作に『悪い血』Le Mauvais Sang(1955),『野火』Feu de brousse(1957),『だまし心で』À triche-coeur(1960),『エピトメ』Épitomé(1962),『腹』Le Ventre(1964),『弓の竪琴』L'Arc musical(1969)のほか,民間伝説集『アフリカの伝説』Légendes africaines(1969)がある。雑誌『アフリカの生命』Vie Africaineなどへの寄稿や,民話,伝説の放送作品も少なくない。作品はポーランド語チェコ語ハンガリー語などに翻訳されている。(→アフリカ文学

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