チャイルド・デス・レビュー(読み)ちゃいるどですれびゅー(その他表記)child death review

共同通信ニュース用語解説 の解説

チャイルド・デス・レビュー(CDR)

予防のための子ども死亡検証」と訳され、1970年代の米国の取り組みが発祥とされる。死亡事例をさまざまな角度から検証して予防策を導き、防ぎ得た死を減らすことが目的。医療警察行政などの各機関が連携し、子どもの既往歴や家族背景、死亡に至った経緯分析、子どもの安全を守るための対策を検討する。日本では、2018年に成立した成育医療等基本法などに体制整備の方針が盛り込まれた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

チャイルド・デス・レビュー
ちゃいるどですれびゅー
child death review

子供の死亡登録・検証制度。略称CDR。予防可能な子供の死亡を減らす目的で、多職種専門家が連携して系統的に死因調査を実施して登録・検証し、効果的な予防策を講じて介入を行おうとする制度である。欧米などの先進国ではすでに法制化され、子供の死因を調査したデータを蓄積し、個人や家族および社会といったさまざまな角度から検討されて、予防施策に生かされてきた。日本においてはまだ法制化に至っていないが、近年になって法制化を求める動きが活発になっている。その背景には、日本の新生児乳児死亡率は世界最低水準であるのに、1~4歳児の死亡率がほかの先進国と比べて高いことがある。その要因として、重症小児の搬送受入れなど小児救急医療体制の整備が遅れていることや、小児診療の質の問題などがあげられる。また、外傷による死亡率が高い(不慮の事故)ことや、肺炎による死亡が多いこと、さらに、虐待による死亡などの社会問題も、その要因としてあげられている。日本小児科学会はすでに試験的に調査を行い、厚生労働省によりこの制度の運営指針案も示されている。なお日本小児科学会の提言では18歳未満の全死亡例を対象に想定している。

[編集部]

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