チャプイギン(その他表記)Chapygin, Aleksei Pavlovich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャプイギン」の意味・わかりやすい解説

チャプイギン
Chapygin, Aleksei Pavlovich

[生]1870.10.17.
[没]1937.10.21. レニングラード
ソ連の小説家。農家に生れたが,1904年から 11年にかけて,都会に生きる貧しい人々の生活を描いた短編を発表。長編『白い僧院』 Belyi skit (1912) ,中編『白鳥の湖にて』 Na lebyazh'ikh ozërakh (16執筆,22刊) などで文壇に認められた。歴史小説『ラージン・ステパン』 Razin Stepan (26~27) ,『遊び好きな人々』 Gulyashchie lyudi (35~37) で 17世紀の農民運動ステンカ・ラージン反乱を描いた。ほかに自伝『わが生涯』 Zhizn' moya (29) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャプイギン」の意味・わかりやすい解説

チャプイギン
ちゃぷいぎん
Алексей Павлович Чапыгин/Aleksey Pavlovich Chapïgin
(1870―1937)

ロシアの小説家。農家に生まれた。コロレンコガーリン・ミハイロフスキーの影響を受け、独学でナロードニキ作家として出発し、のちにレーミゾフらとともに新写実派を形成した。農村の貧しい生活をヒューマニスティックかつ写実的に描いた『白い僧院』(1913)、『白鳥の湖にて』(1916)を発表して作家生活に入る。革命後、ツァーリズム圧迫に抗する17世紀コサックの農民蜂起(ほうき)を主題とした長編『ステパン・ラージン』(1926~27)が代表作。

水野忠夫

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