チャンタン高原(読み)チャンタンこうげん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャンタン高原」の意味・わかりやすい解説

チャンタン(羌塘)高原
チャンタンこうげん
byang thang; Qiangtang gaoyuan

ツァンペイ (蔵北) 高原ともいう。中国西部,チベット (西蔵) 高原の北西部をなす高原。チャンタンとはチベット語で「北方平原」を意味し,平均標高は 4500mをこえる。北はクンルン (崑崙) 山脈とタンラ (唐古拉) 山脈,南はカンティセ (岡底斯) 山脈とニェンチェンタンラ (念青唐古拉) 山脈に限られる。東西 2400km,南北 700km。チベット自治区の3分の2を占める。丸みを帯びたゆるやかな丘陵の間に多くの盆地があり,比高は数百mにすぎない。月平均気温は冬は-20~-10℃で,夏も 10℃をこえず,年降水量も 200mm以下の寒冷乾燥気候であるが,日照に恵まれ,草生が豊富。特に 370といわれる淡水湖,塩湖の周囲には草地が発達しており,ヒツジヤクヤギなどの放牧に適する。野生の鳥獣が多く,漢方薬材も豊富である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャンタン高原」の意味・わかりやすい解説

チャンタン高原
ちゃんたんこうげん / 羌塘高原

中国、チベット自治区北部に広がる高原。平均標高4500メートルで蔵北(ぞうほく)高原ともよび、チベット高原の大部分をしめる。崑崙(こんろん/クンルン)、カラコルムガンディセ、ニェンチェンタンラ、タングラ山脈などに囲まれ、高原上には多数の盆地や湖沼が発達、ナム湖はそのなかで最大の湖である。気候は寒冷で乾燥し、「白漠」とよばれる植生のない不毛の高冷地砂漠や凍土地帯が広がる。アムド、ゲルズェなどの集落が点在し、牧畜業がみられる。

[駒井正一]

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