チャールストン(読み)ちゃーるすとん(英語表記)Charleston

翻訳|Charleston

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャールストン」の意味・わかりやすい解説

チャールストン
Charleston

アメリカ合衆国サウスカロライナ州港湾都市。大西洋岸の重要な通関港。 1670年アシュレイ川西岸に入植,同州最古の町。植民地時代は西インド諸島との交易の中心地であり,18世紀末からアメリカ合衆国の冬季の港としてカリブ海貿易により繁栄した。人種構成は多様であり,スイス,ドイツ,アイルランドなどからの移民やユダヤ人などが多く,またアフリカ人奴隷の子孫が多い。石油,紙,パルプ化学肥料冶金たばこ衣服製造などの工場が立地。化学肥料工業は古くからの市の重要産業。チャールストン大学 (1770創立) ,サウスカロライナ州立医科大学 (1823創立) ,チャールストン博物館,H.ワシントンの家,チャールストン交響楽団がある。ホワイトポイント,ミドルトンプレイス,マグノリアなどの庭園が有名。 1989年のハリケーンで大きな被害を受けた。人口 12万83(2010)。

チャールストン
charleston

1920年代のジャズ,いわゆるツー・ビート・ジャズの変形の演奏で踊る踊り,またはそのリズムに対する名称セシルマックジェニージョンストンが 1923年,黒人ばかりのレビュー"Runnin' Wild"のなかで踊ったのが最初とされる。そのときの曲が,ジェームス・P.ジョンソンの作曲した"charleston,south carolina"であったところからこの名がついたといわれる。やがて社交ダンスとして広まり,27年頃までには世界的な流行となった。リズムに合せて両膝を付けたまま,足を左右交互にはね上げる形が基本。 50年代後半に再び流行し,舞台や映画に使われた。

チャールストン
Charleston

アメリカ合衆国,ウェストバージニア州の州都。オハイオ川の支流カノーア川とエルク川の合流点,標高 180mに位置する。市の名は 1788年入植してリー砦を建設したチャールズ・クレンデニンにちなむ。 1870年市制,以来 75~85年にホイーリングに譲った以外は州都。オハイオ谷への移住ルートに位置するため,乗換え,輸送の中心地。 20世紀にカノーア谷の急速な工業化により人口急増。石炭,化学,繊維工業が立地し,ガラス製品の製造も盛ん。チャールストン空港は州の主要空港。モリスハーベイ大学,ウェストバージニア州立単科大学がある。人口5万 7287 (1990) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャールストン」の意味・わかりやすい解説

チャールストン(アメリカ合衆国、サウス・カロライナ州)
ちゃーるすとん
Charleston

アメリカ合衆国、サウス・カロライナ州南東部の港湾都市。人口9万6650(2000)。アシュレー川とクーパー川の三角江の奥に位置し、多数の交通機関が集中する。工業活動は肥料、化学製品、鉄鋼、アスベスト(石綿)、葉巻タバコ、パルプ、製紙、繊維、衣服などと多様である。合衆国第六艦隊補給基地と空軍基地がある。1670年にイギリスの入植地が建設され、植民地時代には南部の重要な港として発展し、南部文化を形成した一つの中心地であった。南北戦争による被害にもかかわらず、古い町並みや建物が残り、史跡も多いので観光都市でもある。また1920年代に流行したチャールストン(ダンス)の発祥地でもある。

[菅野峰明]


チャールストン(アメリカ合衆国、ウェスト・バージニア州)
ちゃーるすとん
Charleston

アメリカ合衆国、ウェスト・バージニア州中西部にある同州第二の都市で、州都。人口5万3421(2000)。オハイオ川の支流カノワ川がエルク川と合流する地点に位置する。カノワ川河谷工業地帯にあり、近くに産出する岩塩、石炭、天然ガス、石油、粘土、木材などを利用して、化学、ガラス、金属工業が盛んである。また、同州の商業・流通の中心地でもある。1788年に建設されたリー砦(とりで)付近に町が建設され、1870年に州都がフィーリングからチャールストンに移転し、75年にふたたびフィーリングに州都が戻ったが、85年にまたチャールストンが州都となった。モーリス・ハーベイ大学が所在する。

[菅野峰明]


チャールストン(ダンス)
ちゃーるすとん
charleston

アメリカ生まれのダンス。1923年、黒人スターだけによるレビュー『ランニング・ワイルド』のなかで、ピアノ奏者ジェームズ・P・ジョンソン作曲、セシル・マック作詞の「チャールストン」を、マックとジョニー・ジョンストンが歌い踊ったのが始まり。たちまちにしてアメリカ中に広がり、27年ごろには世界的に流行した。速いテンポで、独特のシンコペーション・リズムがあり、両膝(ひざ)をあわせ、足を交互に跳ね上げて踊る。今日でも、1920年代の禁酒法時代を象徴するダンスとして、ショーや映画のなかで用いられている。

[青木 啓]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android