ハリケーン(読み)はりけーん(英語表記)hurricane

翻訳|hurricane

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハリケーン」の意味・わかりやすい解説

ハリケーン
はりけーん
hurricane

北大西洋および北太平洋東部で発生する発達した熱帯低気圧性質台風と同じである。世界気象機関(WMO)では、この地域の熱帯低気圧のうち最大風速が毎秒32.7メートル(64ノット)以上のものをハリケーンとよび、日本では台風の基準と同じ最大風速が毎秒17.2メートル以上のものをさすことも多い。語源はスペイン語ウラカンhuracanであるが、これはカリブ海沿岸に住む民族暴風の神ウラカンからきている。台風なみに発達した熱帯低気圧の1年間の平均数は北大西洋で10個、北太平洋東部で14個であるが、このうちハリケーンはおのおの6個と7個である。ハリケーンの多くは小型であるが、2005年8月のハリケーン「カトリーナ」など大型のものは、メキシコ湾沿岸に上陸するとき甚大な被害を与える。なお、風力階級で12(毎秒32.7メートル以上)の風の呼称として用いられることもある。

饒村 曜]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハリケーン」の意味・わかりやすい解説

ハリケーン
hurricane

アメリカ合衆国熱帯低気圧の発生などの監視を担当している地域(北大西洋,北東太平洋,中部北太平洋)で,最大風速が 64kn(約 33m/s)以上の熱帯低気圧をいう。最大風速の強さにより,カテゴリ1から 5までの階級分けを行ない,最大風速が 34kn(約 17m/s)以上 64kn(約 33m/s)未満の熱帯低気圧は,トロピカル・サイクロン tropical cycloneと呼ばれる。2005年8月29日の早朝,アメリカのルイジアナ州に再上陸したハリケーン「カトリーナ」は,ルイジアナ州やミシシッピ州を中心にアメリカ史上最大級の自然災害をもたらした。

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